2016年10月24日
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下高井戸分水本来の水源地のヒントが得られた

Written By: 川俣 晶連絡先

「下高井戸分水は、途中から自然水路だと推定していた」

「この地図のA点からB点は人工水路で、B点から先が天然水路ということだね」

「そうだ。問題は、自然水路時代の水源地はどこかだ」

「どこなの?」

「いろいろ検討したが、甲州街道のあたりは上り坂になってしまい、あまり水路っぽい雰囲気ではない」

「それで?」

「しかし、ある時凄いことに気づいた」

「それはなんだい?」

「このあたりにある二つのマンションの床が、いずれも地面の高さより低いのだ」

「2つとは?」

「菱和パレス上北沢と欅マンションだ」

低い床低い床

「それで?」

「建物1つなら建設の都合で床を低くしたということも考えられるが、全く無関係に見える隣接した二つのマンションがいずれも床が低いということは、実はもともと土地が低かったのではないか、と推定した」

「つまり池の存在が推定できる?」

「かもしれない」

「つまりそれが水源?」

「そこに湧水点があって、下高井戸分水の原形水路の水源地はそこにある……というのが現在の仮説だ」

「でも、玉川上水が建設された時点で切られてしまったのだね?」

「そう。だからそれを補う意味で下高井戸分水の取水が認められた、というのが現在考えている仮説だ」

「他に何か傍証は?」

「手持ちの昭和20年代の米軍撮影の航空写真を見ても、goo地図の昭和22年、38年の航空写真を見ても、周囲は宅地なのにそこだけ雰囲気が違う。やはり、ここは何か特別な土地だったのではないか。そんな気がする」

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